- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2012/12/05
- メディア: DVD
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レイ・チャールズの生涯を描いた映画。
とても良い作品だった。
私が小さい頃、アメリカの大勢の歌手が集まって歌った”We are the world”という歌があった。
その中にレイ・チャールズもいて歌っていた。
テレビでその姿を見、歌声を聞いて、この人はすごいなぁと思った記憶がある。
他の歌手よりも、ずっと鮮烈な印象を受けた。
だが、あんまりその人生については今までよく知らなかったので、この映画はとても興味深く、また心に響いた。
レイ・チャールズは、まだ黒人への差別が根強く残るアメリカ南部のジョージア州に、1930年に生れた。
六歳の時に、弟のジョージが事故で死ぬのを目の前で見る。
自分もその九カ月後、病気により失明する。
貧しい家庭だったが、母はレイ・チャールズを自分一人で生きていけるように心を鬼にして厳しく育て、やがて親元から離れた盲学校に入学させる。
レイ・チャールズが盲学校に行っている間に、母は死んでしまう。
貧しい盲目の黒人であるレイ・チャールズは、天性の音楽の才能で、次第に認められ、ゴスペルとR&Bを組み合わせて独自の音楽でスターとなっていく。
良き妻とも結婚する。
しかし、麻薬に溺れ、浮気も繰り返し、信頼していた音楽の仲間たちも一人また一人と去っていく。
最後には、一念発起して、麻薬中毒の患者のための病院に入院し、ついに薬物依存から立ち直る。
その時に、夢うつつの中で、亡くなった母親と弟が現れて、弟はレイ・チャールズに対して、兄さんは何も悪くない、と言ってハグし、母は「二度とあなたの心を盲目にさせてはならない。自分の足で立って。」と言うラストの方のシーンは、思わず涙。
レイ・チャールズは、公民権運動が盛んだった1960年代、ジョージア州で黒人席を分けて差別しているコンサートホールの使用を拒否したため、ジョージア州から追放されて長く公演ができなくなっていた。
しかし、その二十年後、ジョージア州の州議会が自分たちの判断の誤りを認め、レイ・チャールズに公式に謝罪した。
そのエピソードも、最後に描かれていた。
本当、素晴らしい歌の数々だったし、主役はじめ素晴らしい演技陣だったし、とても良い映画だった。