安倍さん、所信表明演説で芦田均の言葉を引用していたけれど

第百八十三回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement2/20130128syosin.html



個々の政策内容はとりあえず脇に置けば、演説自体は、安倍さんが日本のことを思い、危機を突破したいと思っていることは伝わってきた。


個々の経済政策については私は異論があるけれど、与野党の叡智を結集したいと安倍さんも言っているし、建設的に日本全体でがんばっていきたいと思った。
安倍さんには、所信表明で述べたとおり、拉致問題の解決に取り組んで欲しいし、そういった事柄に関しては、もちろん与野党問わず、オールニッポンで安倍さんをバックアップしたいと思う。


途中、あげていた被災地の女の子の話もじーんときた。
本当に、復興のために、日本全体で取り組むべきだろう。


また、安倍さんが演説の一番最後に引用していた芦田均の以下の言葉が、印象的だった。


「『どうなるだろうか』と他人に問いかけるのではなく、『我々自身の手によって運命を開拓するほかに道はない』」



良い言葉だと思う。


しかし、芦田均とは!
のちに自民党に合流したとはいえ、首相当時は民主党で、社会党との連立政権だった。
安倍さんはどのようなつもりで引用したのだろう。


たぶん、ありえないけれど、とても期待した見方をすれば、芦田均のように中道・リベラル路線を私も目指します、ということだろうか。


また、芦田均は他ならぬかの「芦田修正」、つまり憲法九条を二項に分けて、将来の自衛のための軍事力を合憲とする余地をつくった本人である。
安倍さんが実は芦田修正をよく理解しており、憲法九条改正はしない、というシグナルなのだろうか…。


おそらく、そのどちらでもなく、たぶんあまり深い意味はなく、芦田均の言葉を自助の勧めとして引用したのが本当のところなんだろうけれど。


とにもかくにも、私はアベノミクスは残念ながらうまくいかないと思うけれど、安倍さんには日本のためにがんばって欲しい。
あまり憲法問題につっこまず、芦田均の遺産をうまく生かして、現憲法の運用で対テロの問題には取り組んでいって欲しいものだ。