- 作者: レオレオーニ,Leo Lionni,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2002/08/01
- メディア: 単行本
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ねずみたちが暮らしている場所にある、大きな壁。
その壁の向こうにあるのが何なのか、誰も知らない。
誰も壁の向こうに行くことを試みようともしない。
そんな中、主人公のティリーだけは、壁の向こうにいろんな想像をふくらます。
ティリーだけは、あきらめず、いろんな方法を試し続ける。
ついに地面を掘り進んで、壁の向こう側に出て、他のねずみたちと出会う。
レオ・レオニの描く絵がとてもかわいい。
と同時に、極めてシンプルな話なのに、妙に実感がこもってて、胸を打つと思って、よく見てみたら、この原作が最初に出版されたのは1989年、ベルリンの壁が崩れた年だった。
きっと、レオ・レオニも、そうした感慨や思いをこめてこの一冊を書いたのだろう。
いつの世にも、それなりに、なんらかの「壁」があるのかもしれない。
その時に、このティリーのように、あきらめず、壁の向こうに思いをめぐらし、何度でもチャレンジしていくことが、新たな世界を切り開くきっかけになるのかもしれない。