絵本 「どうするティリー?」

どうするティリー?

どうするティリー?


ねずみたちが暮らしている場所にある、大きな壁。

その壁の向こうにあるのが何なのか、誰も知らない。

誰も壁の向こうに行くことを試みようともしない。

そんな中、主人公のティリーだけは、壁の向こうにいろんな想像をふくらます。

ティリーだけは、あきらめず、いろんな方法を試し続ける。

ついに地面を掘り進んで、壁の向こう側に出て、他のねずみたちと出会う。

レオ・レオニの描く絵がとてもかわいい。

と同時に、極めてシンプルな話なのに、妙に実感がこもってて、胸を打つと思って、よく見てみたら、この原作が最初に出版されたのは1989年、ベルリンの壁が崩れた年だった。

きっと、レオ・レオニも、そうした感慨や思いをこめてこの一冊を書いたのだろう。

いつの世にも、それなりに、なんらかの「壁」があるのかもしれない。
その時に、このティリーのように、あきらめず、壁の向こうに思いをめぐらし、何度でもチャレンジしていくことが、新たな世界を切り開くきっかけになるのかもしれない。