御同行のOさんから聞いた話

今日は、久しぶりに御同行のOさんにお会いした。


Oさんは本当に元気なおばあさんで、最近も町内の御世話をする役割で駆け回っているそうである。


よもやま話をしている中で、こんな御話を聞いた。


昔、地域のお寺の関係から西本願寺の御本山の清掃にみんなで行って、奥の御庭を掃除したり、修復のために降ろされていた分の瓦をタワシで掃除したそうである。


門主がちょっとだけ出てきて、ありがとう、と挨拶しくれたそうだ。


偉いお坊さんが抹茶を点ててくれて、まだ若かったOさんが皆に運んだそうである。


その時、普段は入れない書院の奥の方までも通してもらって、見て回ったそうだ。


その話を聞いて、私は去年、西本願寺の奥の書院をはじめて見学したのだけれど、廊下から見える屋根瓦に色がちょっと違うものが混ざっていて、それはできるだけまだ使える古い瓦はそのまま使っていて、一部新しいものを使っているので、屋根瓦に色の違うところがある、という話を聞いたことを思い出した。


古いものは江戸時代ぐらいからの瓦もあると聞いた気がする。


全国のあちこちの普通の御門徒さんたちが、ちょっとずつ志を出し合ったからこそ、あれだけ大きな立派な本山の建物や屋根瓦もあるのだろう。
そのあとも、つくっただけで終わりではなく、Oさんのような篤信の御門徒さんたちが、折々にできる範囲で、掃除に行ったり、瓦を磨いてくれたからこそ、今に至るまで本願寺の建物も存在も続いているのだろう。
伝統って、そういうことなんだろうなぁと、話を聞きながら思った。