「義務的管轄権」と「共同管理」は全く別の話

■橋下市長、竹島を「日韓の共同管理に持ち込め」
(読売新聞 - 09月23日 18:50)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120923-OYT1T00495.htm



いまいち橋下さんが言っていることの意味がよくわからない。


「義務的管轄権」と「共同管理」は何の関係もないことだ。


義務的管轄権とは、野田さんも今度の国連総会での演説でその拡大を提起する予定だけれど、国際司法裁判所が紛争の当事者の片方に対して、もう片方が提訴した場合、強制的に裁判に応じるように命じることができる権限のことだ。
韓国は国連加盟の時に、国際司法裁判所の義務的管轄権を認めていないのだけれど、これを韓国が受け入れるようにしていくことは確かにとても重要なことだ。


だが、それと竹島の共同管理とは何の論理的な関連もない。


共同管理という発想の是非はとりあえず脇に置くとして、それが実際にどのような効果をもたらすかを考える必要がある。


残念ながら、


1、韓国側は共同管理に全く応じるつもりはない。

2、日本側の足並みが乱れていると韓国側は受け取る。

3、日本側の竹島問題についての主張根拠が脆弱だし、日本の意志が弱いことの証拠だと韓国側は受け取る。


ということしか帰結しないのではないだろうか。


まずは国際司法裁判所で決着をつけて、そのうえで韓国との友好や経済交流を図るならば話はわかるが、現時点での共同管理の提案は全くもって良い効果を日韓双方にもたらさないのではないかと思われる。


こちらはただ国際法を遵守し、国際法に則った解決を正々堂々主張すれば良いのみ。
橋下さんよりは、よほど野田さんの方が、この問題に関して、正々堂々国際法に則った毅然とした姿勢を貫いているとしか言えないと、この報道を見て思わざるを得ない。