漫画 「ホーリーランド」

ホーリーランド (1) (Jets comics (846))

ホーリーランド (1) (Jets comics (846))

おびただしい数の漫画がある中で、本当に心に残る作品というのは、たぶんあんまり多くはないと思うのだけれど、この『ホーリーランド』はその数少ない作品と思う。

何が心に残るのかは、うまく言葉で一口に言うことはできない。

ただ、たぶん、主人公のユウや副主人公のマサキらの気持ちが、若干わかる人には、その必死さがぐっとくるということなのだと思う。
そういう人にとっては、単なる漫画の域をこえて、何か心に響く作品なんだと思う。

最終巻の十八巻で、何のために闘ってきたかということについて、「過去から自由になるため、新しい自分を得るため」ということをユウたちが述べていることに、私は別に路上で闘ったことはなかったけれど、別の意味で、ああそういえばそういうことだったんだろうなぁととても共感させられた。

多くの人に勧めて良いかはちょっとよくわからない、少々ディープな暗い格闘技系漫画ではあるのだけれど、根底にあるメッセージは本当に良い作品だったと思う。