「南の虹のルーシー 完結版」


私がとても小さい頃、『南の虹のルーシー』というアニメが世界名作劇場であっていた。

なんとなくそんな番組があっていたぐらいしか記憶になく、どんなストーリーだったかさっぱり覚えていなかったのだけれど、ふとなつかしくなってこの総集編を見てみた。

そしたら、不思議なものだが、その主題歌、なんとなく覚えていた。
本当になつかしい、良い歌だったと思う。

また、見ながらだんだんと思いだし、その箇所に至る前に、ルーシーが記憶喪失に一時的になることをなんと思い出した。
しかも、その間、お世話になった親切な夫婦が、自分たちのかつて亡くなった娘の名前を自分の名前がわからないルーシーにつけて呼んでかわいがっていたことまで思い出した。

ほんの小さい頃に見ただけで、三十年以上全く見ていなくて、完全に忘れていたはずなのに、人間の記憶力とはなんとも不思議なものである。

物語は、イギリスからオーストラリアに開拓にやってきた一家が、いろんな苦労を支え合って乗り越えるという物語である。
その中で、いろんな動物や自然とのふれあいも描かれる。
お父さんは逞しく、どんなこともでき、お母さんもしっかりしており、子どもたちは子どもらしい。
まさに理想のような家族だが、それと同時に、思いもかけぬことで、経済的に行き詰ったり、事故にあってしばらくお父さんが働けなくなり、一時的には飲んだくれたりすることもある。
しかし、家族で支え合い、お金よりも家族の愛情を大切にする姿勢は本当に胸を打たれる。

さっぱり忘れ果てていたし、なんとなく世界名作劇場の中では地味な作品のイメージがあったのだが、ある意味、最も自分にとってはなつかしい、最も良い作品の一つだったような気がする。

そのうち、原作も探して読んでみたい。