絵本 「ふみ絵のはなし」

ふみ絵のはなし (キリシタン昔ばなしシリーズ (4))

ふみ絵のはなし (キリシタン昔ばなしシリーズ (4))

ある温泉のある村に、よそから、病気の父親を白い馬に乗せて若者がやってきた。
若者は、おじいさんを湯治させながら、薪を山で切って来ては売って稼ぎ、白い馬と一緒にいつもよく働いていた。

その村の庄屋の娘さんが、その若者を好きになり、若者もそうだった。

若者の父も、徐々に回復して、元気になってきた。

しかし、ある日、役人がやってきて、村の全員が踏絵をさせられた時に、その若者と父親は踏絵を拒んだ。
かくれ切支丹だったことが発覚し、二人とも処刑された。

庄屋の娘は嘆き悲しみ、雪の積もる雲仙岳にのぼり、火口に身を投げた。

と、その時、若者の白い馬がはしり出てきて、娘をのせて、遠くへと駆けていった。

その直後、雲仙岳が噴火した。
それは、罪もない親子の命を奪ったからだと人々は噂した。

その娘は、熱心な切支丹となって、長崎に近い山奥でいつまでも白い馬と一緒に暮していた。

との話である。

島原・雲仙あたりの民話のようだが、このような物語がずっと伝わっているのは、なにがしか元になるような話があったのかもしれない。

良い絵本だった。