戴晋人はもはやいないのか

ソン・イルグクの来日難しい−外務副大臣
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20120824-1005723.html




私自身は竹島は当然日本の領土と思うけれど、この措置については首をかしげる
一国の副大臣が、わざわざ一人の俳優の入国について発言するのはどうなんだろう。
公人と私人は一応区別した方が良いような気もする。


最近の日韓のトラブルを見ていると、良くも悪くも、日本も韓国も西欧化・近代化され過ぎたのではないかと思う。


それはそれで大事なことだけれど、たぶん、昔の日本や韓国の教養人だったら、荘子のカタツムリの角の上の触氏国と蛮氏国の戦争のようだと思う精神の広さや相対化できる知性があったのではないかと思う。


荘子』には、カタムツリの角の上に「触氏」と「蛮氏」という二つの国があって、数万の死者を出す戦争をしたという話が出てくる。


むろん、フィクションだけれど、もし宇宙の目から見れば、日韓の争いなど、ましてやちっぽけな岩礁をめぐる争いなど、まさにこれそのものだろう。


もちろん、現実問題としてしっかりとした領土問題への対応は必要だし、私は野田首相の対応を支持する。


しかし、日韓ともに熱くなりすぎている人々を見ると、東洋古典の教養を忘れて、あまりにも西欧化されすぎてるんじゃないかという気がしてならない。
このカタツムリの説話を語った戴晋人のような人はもはやいないのか。


領土問題に関しては国際司法裁判所への提訴等、それはそれとして大切に適切に取り扱うべきで、一歩も無駄に退く必要はないが、人と人との関係や文化や経済の交流などについては、政治だけではない、政治を相対化するような、東洋古典の広々とした精神も、心の片隅に忘れないようにして欲しいと思う。