御法話メモ 阿弥陀さんのてのひらの上

(2010年の報恩講の御法話メモ)


ある女性の方が、小さい時に目の前で人が交通事故で死ぬのを見て、それ以来、人は死んだらどうなるのか、どこへいくのか、ずっと疑問に思うようになった。

しかし、誰に聞いても、きちんと答えてくれず、あまり聞くと嫌がられるようになり、いつしかその問いを人に尋ねないようになった。

だが、ずっとその疑問は心の中にあった。

そんな時、高校を卒業して就職した頃、職場で知り合った友達の家に、とても良いおばあちゃんがいて、この人なら私の質問に答えてくれるかもしれないと思って、長年の自分の質問を思い切ってある時にしてみた。

すると、そのおばあさんは、

「人は阿弥陀さんのてのひらの上に生まれ、今現に阿弥陀さんのてのひらの上でお育てにあっている。
だから、命終っても阿弥陀さんのもとへ還るだけのことで、なんも心配せんでええよ。」

と答えた。

その女性ははとても感じ入るものがあり、熱心な念仏者になり、その地域で日曜学校をひらいたり、ずいぶんいろんな方にお念仏を伝える方になったそうである。