NHKドキュメンタリー - キミの心の“ブラック・ピーター”

NHKドキュメンタリー - キミの心の“ブラック・ピーター”〜日本賞 受賞作品〜

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2473/2568022/ 

これは良い番組だった。

オランダにおける、「ブラック・ピーター」をめぐって、差別意識やそれに抗議する人々をよく描いてあった。考えさせられる。

オランダでは、いわゆるサンタクロースである聖ニコラスのお祭りがあり、その従者としてブラック・ピーターという肌を黒く塗った人物が登場する。
おどけた陽気な人物という設定。

これが黒人差別ではないか、という抗議があり、それに反発する人々もいて、裁判でも争われたそうである。

差別意識というのは、無意識に根差す、むずかしい問題だと、番組を見ながら思った。

印象に残ったのは、黒人差別に抗議する人々のデモの横で、私たちはあなたと共にある、と支持を表明していたユダヤ人のおばあさん二人の様子だった。
六芒星が入った、連帯を示す言葉を書いたプラカードを持って、ユダヤ人を代表してここにいる、と述べて、黒人の人々と握手していた。
なんだか胸を打たれるものがあった。

差別というのは、無意識なだけに、抗議をされると、そんなつもりはないと反発することが、マジョリティの常なのかもしれない。
マイノリティの側にこそ、本当に物事はよく見えている場合も多いのだと思う。
大事なことは、思考を停止せず、抗議や対話やものごとに目を開き耳を傾けて行くことなのだと思う。