ドラマ「東京裁判」の全四話を、年末に録画していたのをやっと見た。
予想外に非常によくできた力作だった。
製作に八年以上かけて、三か国ぐらいで協力してつくったそうである。
オランダのレーリンク判事が特に中心に描かれており、それぞれの判事の個性や考えや白熱する議論もよく描かれていた。
全部あわせると二千数百ページあるそうだけれど、いつか折々にちょっとずつでも多数派が作成した判決文およびレーリンク判事やパル判事等の作成した意見書を実際に読んでみたいなぁと思う。
非常に重い事実と、また重いテーマに取り組んだ出来事だったわけで、今もって軽々には評価できない事柄だと思うけれど、せっかく複数の意見がきちんと公表されているのだから、後世の者としてきちんと目を通して受けとめたいなぁと思う。
レーリンクと交友のあった竹山道雄(『ビルマの竪琴』の作者)が、ドラマの中で、戦時中に軍国主義に対して「抵抗する勇気」を自分を含めた日本国民が持てなかったことへの反省を述べていたけれど、考えさせられた。
あと、レーリンクと交友のあったピアニストのハーリッヒ・シュナイダーは、戦時中はゾルゲとも関わりが深かったというエピソードは興味深かった。