枝野さんの御話 メモ

先日、民進党の枝野さんの御話を聞いた。

枝野さんの話はとても理路整然としていて、かつ情熱があって、面白かった。
聞きに来て良かったと思った。

会場の椅子がぜんぶ埋まり、立ち見の人も結構いた。


御話の内容は、大略以下のようなもの。


日本の景気の低迷の原因は消費が冷え込んでいるから。
そして、消費が冷え込んでいるのは安心して暮らせないから。
社会保障や福祉関連の雇用にきちんと政治が動いて予算を増やせば、そのことが安心や消費につながっていく。
かつての公共事業のように、今はそれ以上に、福祉関連の雇用を増やすことが地元の活性化につながる。
支え合う社会をつくっていくことが自分自身もめぐりめぐって助けられることにつながる。自己責任ばかり強調してエゴイズムを蔓延させる社会で本当にいいのか?
その結果がこの二十年の停滞ではないか。




質疑応答。

一、事業仕分けについて。かつて御著書の『事業仕分けの力』を読んだことがあるが、事業仕分け自民党政権復帰後も順調に継続していると言えるのか、あるいは継続していない部分があるのか、その点について聞かせて欲しい。

二、憲法について。自民党改憲草案にはたとえばその99条に緊急事態においては政令に法律と同等の力を持たせるというナチスの授権法と同じことが述べられているが、その危険性はいまいち広くは伝わっていない、これから憲法についてはどういう方向で臨んでいくのか。

三、私自身は三十代でロスジェネ世代そのものなので、支え合う社会をぜひ実現して欲しいが、そのために、私達一般市民にできることは何か、民進党の中枢にいる枝野さんから、一般の有権者に期待することやして欲しいことは何か。



枝野さんのそれに対する答え。


一、事業仕分けについて、枠組みとしては、レビューシートといって、各行政事業について詳しくその必要性等について記述させる枠組みが民主党政権事業仕分け以来、今も続いており、それを読んで私たちも今も国会での質問に活用したり、マスコミもよく読んでいる。なので、枠組みとしては、事業仕分け民主党政権が始めた時にできた形が、今も有効に続いている部分もあると思う。しかし、自分や蓮舫さんが当時随分批判を受けたように、本当に事業仕分けをしようとすると嫌われるので、それにも屈さない本当の熱意とやる気を持った人がいるかどうか、そうした人がきちんとこれからも現れて枠組みを生かして続けて行くかどうかは問われると思う。


二、自民党改憲案はたしかにひどいものだが、思うに、憲法というものが本当にわかって考えているのは国民の一割で、二割は憲法についてよくわからないけれど変えれば何か良くなるだろうという考えで、残りの七割はあまり憲法に関心がないと感じている。なので、憲法について話しても、一割ぐらいの人をのぞいては、あまり関心を持たれない。七割から九割ぐらいの人は興味を持たないし届かない。しかし、そうは言っても、論評にも値しないひどいものだと思って放置していると、自民党改憲草案がまかりとおってしまうので、批判はきちんと行っていく。だが、民進党だけではなく、その他の有識者やマスコミ等が果たすべき役割が大きく、実際に96条改正については有識者の反対によって立ち消えになった経緯がある。民進党ももちろんがんばるが、有識者等の他の人々の役割が大きいと思うし、実際そうした動きが現在始まっていて大きくなってきていると思う。

三、自分にできることをやって欲しい。そして、自分にできることというのは、その中で大切なことは、地味な、地道なことだと思う。ビラを一枚一枚配ったかどうか、それが単発で終わらず継続しているか、日常生活の中で周りの人にきちんと自分の考えを伝えられているか、ということだと思う。また、もしネットが使える人であれば、ネット右翼のデマをひとつひとつ訂正して欲しい。ネット右翼のデマが訂正されていくだけで、民進党の支持率はかなり上がると思う。


枝野さんは、本当に熱意と理路整然としたところとを併せ持つ政治家だと思う。
こういう政治家が日本にいてくれて良かったなぁと、素直に思えた。