永井隆 『いとし子よ』の一節

永井隆『いとし子よ』という本を読んでいたら、以下の一節があり、胸打たれた。


「わが子よ、言葉を知っているということと、
その言葉の命ずるとおり行なうということとは、
大きな違いがあるのである。
何千年来、何千億とも数知れぬ人々がこの言葉を知っていた。
しかし、この言葉のとおり行った人は、
おそらく指折り数えるほどしかなかったのではあるまいか?」


「なんじの近き者を己の如く愛すべし」という聖書の言葉に関連して、永井博士はこのことを述べているのだけれど、考えてみれば、戦後の日本の平和主義ということについても、あてはまる言葉なのかもしれない。