「ロスジェネ世代はいかにしてへこまずに生きていけばいいのか」

「ロスジェネ世代はいかにしてへこまずに生きていけばいいのか」

あれこれ考えてみるに、以下のことが大事じゃなかろうか。

1、あまり自分を責め過ぎない。
とかく世の中では自己責任が強調されるし、まじめな人ほどそう思いがちだけれど、就職にしろ結婚にしろ、自分の選択の結果である部分もあるのと同時に、世の中の流れや仕組みの影響もかなり大きい。
マルクスは「個人の不安定性の根源は世界市場の不安定性にある」という意味のことを『ドイツ・イデオロギー』の中で言っている。つまり、個々人が不安定だったり不安だったりするのは、その人のせいだけではなく、グローバル経済が不安定なことにも原因があるってことで、自分の不安や不安定性を掘り下げていくと自分だけでないところに根っこや要因があるのも大事な視点だと思う。

2、悲しみや不安などのネガティブな感情を、率直に言葉にして表現し、誰かに受けとめてもらうこと。
日本の男性は、特に三十代ぐらいの世代は、なかなかこれが苦手だけれど、誰かに感情を表現して受けてもらえた時に、人はまた立ち直っていけるのではなかろうか。あまり自分一人でためこんで、ぽきっと折れてしまうより、時には弱みやネガティブな面も人に見せていけることが大切と思う。

3、生きていて良かったと思える喜びや楽しみの時間を時々持つこと。
これは人それぞれのやり方や趣味があって、それで良いと思うけれど、音楽や踊りや歌や彫刻など、何かしら趣味などによってそうした時間を持つことは、生きていく上でとても大切と思う。

4、歴史上の誰か手本となる人物の人生を思ってみること。
私の場合は、リンカーンフレデリック・ダグラスやハリエッド・タブマンやソジャーナ・トゥルースなどを思うと、けっこう勇気が湧いてくる。

5、笑いを大切にすること。
ヘブライ語の「ホフマー」という単語は、知恵とジョークを両方意味するそうで、ユダヤ人においては、知恵ある人はジョークが上手で、ジョークが上手でない人は知恵のある人とはみなされないそうである。不条理な迫害にいつもさらされてきた人々は、おのずと笑いの大切さが身にしみていたのだろう。いかなる状況でも、とりあえず笑って生きていくことが、あまり行きづまらないためにも大切と思う。

という五つのことが思い浮かぶ。
その他、なんらかの実存をかけた信仰を持つことや、何よりもこういったことを話しあえる友人を持つことが、へこまずに、折れずに、しぶとく生きていくためには大切なことかもしれない。