徳善義和 「マルティン・ルター」

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)

すばらしい名著だった。

ルターは、正直、長い間なんとなく敬遠というか、あんまり好きになれない人物だった。
この本を読んでも、いろんな限界や欠点はあったんだろうとは思う。

しかし、不思議なことに、ところどころ、とても共感させられた。
いろいろ欠点や限界はあっとしても、核心の部分に、本当にすごい真実と力がルターにはあったのだと思う。
同時代の人々もそう感じる人が多かったからこそ、あれほどルターを中心にして時代が転回することになったのだろう。

神学的な見解に関しては、不思議なほど、ルターの根本的な部分はとても納得がいき、共感させるものがあった。

ルターの他の著作も読んでみたくなった。

多くの人におすすめしたい、入魂の書と思う。