新渡戸稲造 「運命を拓きゆく者へ」

運命を拓きゆく者へ

運命を拓きゆく者へ


新渡戸稲造のいくつかの著書から要所を抜粋した本で、とても良い本だった。
平明な文章でありながら、非常にためになる、深い内容の本だと思う。
たぶん、だいぶ前にどれも読んだことがある文章がほとんどだったとは思うのだけれど、あらためてとても心にしみ、繰り返し読みたくなった。


「意志は人なり」
「大綱を決める」
「節のない竹には力がない」


などの言葉は、あらためてはっとさせられる。


「自分は何をしたら一番自分の心を満足させられるのか」、つまり「自分は何のためにこの世に生きるのか」ということをしっかり考えること。
黙想の時間を大切にすること。
標準書を定めて、他はその参考書として本を読むこと。
胸襟を開いて人と語り、気取りを捨て、壁をつくらず、よく思われようとしないこと。
などなど、あらためて大切なことと思った。


「自己の成長と、世でいういわゆる成功とは、 稀には合致するが、多くの場合は相いれない。
なぜなら、立身出世の標準は外部に求められるが、自己の成長は各自の内部の経験に基づくからである。」


という言葉も心に残った。


多くの人にお勧めしたい、人生の糧となる本だと思う。