絵本 「泣いた赤鬼」

泣いた赤おに (日本の童話名作選)

泣いた赤おに (日本の童話名作選)


心優しい鬼の物語。

人間と仲良くなりたい赤鬼のために、自分が悪者になってあげる青鬼。
青鬼の友情と思いやりと、自己犠牲にほろりとした気持ちになる。

これは童話だけれど、古くから伝わる民話の中に、鬼が仲良く村の子どもと遊んだり、わりと親切にしてくれるという話がしばしば残っている。
熊本の水俣地方などにもあるそうで、以前そうした民俗学に詳しい方に御話を聞いたことがあった。

優しい心を伝えるのは難しく、また偏見を持たずに付き合うこともしばしば難しく、さらには自らのことより友のために尽くすことはもっと難しいことだろう。

優しさとは何か、考えさせてくれる良い絵本。