絵本 「源平絵巻物語 全十巻」

牛若丸 (源平絵巻物語 第1巻)

牛若丸 (源平絵巻物語 第1巻)


全十巻の源平絵巻物語シリーズ

義経たちを主人公にした絵本で、とても面白く、生き生きとこの時代の物語が描かれていた。

木下順二の『絵巻平家物語』も素晴らしかったが、この今西祐行・赤羽末吉の『源平絵巻物語』も本当に素晴らしかった。

読んでいてあらためて思ったのは、頼朝も義経も義仲も、時が来るまでは不遇だったことと、にもかかわらず志を持ち続けしっかり力を蓄えていたんだなぁということ。
そして、ひとたび時機が来た時は、果敢に挑んだということ。

さらに、どうにもならぬ運命の濁流にのまれながら、どの人物も必死に精一杯自分なりに生きようとしたんだなぁということを、あらためて思った。

また、折々の、人の優しさや思いやりや勇気や自己犠牲というのは、永遠に残っていくのだと思った。

源平の物語は、本当に、繰り返し味わいたいものだと思う。