参院選の結果に思ったこと

参院選の結果が出た。
一人区ではほぼ自民が勝っている。
なので、自民党が圧勝と言っても、おおげさな表現ではあるまい。
公明・維新・みんなという自民の補完勢力と合わせると、自民一強はめったなことではゆるがない状況になった。


憲法九十六条先行改正や、原発再稼働、限定正社員制の導入、二百兆円規模の国土強靭化計画という土建ばら撒き。
そして、賃金は上がらないのに、物価はじわじわと上昇し続けているにもかかわらず、掛け声ばかりは強気なアベノミクス
これらが、今後、どうなっていくのか。
参院の「ねじれ」が「解消」された以上、基本的に、安倍自民党に歯止めをかけるものはもはや国会には基本的に存在しない。


投票率はおよそ53%ぐらいだった。
残りのおよそ五割弱の人が一斉に自民以外に投票していれば、大きく世の中の形勢も変わっていたかもしれない。
無責任や無関心が、ますます自民一強支配を補強している。


昨日は、大河ドラマの『八重の桜』が、ちょうど会津が降伏する回だった。
この日に、この回とは。
偶然だろうけれど、感慨深かった。
会津も、あのように何の落ち度もないのに、あれほど苦しみ、そして生き残った人々は健気に生き続けていった。
今日は一敗地に塗れた日本全国の心ある人も、会津武士に倣うべきなのかもしれない。


自民党の圧勝は、前々から予測はできていたことだった。
とはいえ、これから先の日本が心配である。
あまり憂いても仕方ないので、また今日から、息長く、自分にできる範囲で、ひっくり返すために地道にがんばっていこうと思う。
おごる平家は久しからず。
源頼朝にも長い充電期間があった。


モーゼもまた、エジプトのファラオと交渉して、エジプトを脱出するまでには、ある程度、長い時間がかかった。
ファラオに最初の警告を発してから、少なくとも一年半から二年ぐらいかかっているそうである。
出エジプト」はヘブライ語だと「イツィアト・ミツライム」というそうだ。
この子音の読み方を少し変えると「イツィアト・メツァリム」、つまり「脱苦難」という言葉になるそうである。
古来からユダヤ教ではこの意味もこめられていると考えるそうだ。
日本はいつ、自ら「脱苦難」の出発を始めるのだろう。
エクソダスはいつになるのか。
当分は見えず、エジプトに十の苦難が降りかかったように、これからますます多くの災厄が降り注ぐのかもしれないが、その日を待つしかないのかもしれない。


モーゼも、すぐにエジプトを脱出できたわけではなくて、ファラオにしばらくの間ユダヤの人々はいじめられ続けて、かなりの期間、天災が降りそそぎながらも、出発まで時間がかかった。
出発してからも大変だった。
十戒の石板も一枚目は砕けて、やっと二枚目で完成した。


脱原発財政再建社会保障の構築は、当分は挫折し、遠回りを余儀なくされることになった。
国家社会におけるリベラルな価値観も衰退していくかもしれない。
心ある人、知恵ある人にとっては、痛憤やるせない日だったかもしれない。
しかし、世の中は無常である。
今は栄えている人々も、ひとえに風の前の塵に同じ。
日本全国の心ある人は、来たるべき日に備え、今は気を取り直して、実力を養い、頼朝の下知に関東の武士が澎湃として立ちあがったように、再び立ちあがれるように気力を養うのみ。