- 作者: ルイーズボーデン,エリックブレグバッド,Louise Borden,Erik Blegvad,片岡しのぶ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 大型本
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すばらしい絵本だった。
18世紀まで、世界中の船は、海の真ん中を航海している時には、正確には自分たちがいまどの場所を航海しているかわからなかった。
太陽の観測などで、いちおう緯度は割り出せたものの、経度の割り出し方が存在しなかったのである。
もし、正確な時計があり、出発地点の時刻がわかれば、現在地点の時刻を太陽の観測から割り出して、その差で経度を割り出し、緯度と合わせて現在地点を正確に割り出すことができる。
しかし、当時の時計は振り子時計だったため、船の揺れにより狂いやすく、とても正確な経度は割り出せなかった。
小さい頃から器用だったジョン・ハリソンは、そのことを知り、四十年もの歳月を、正確な時計づくりに費やした。
ひたすらその研究にすべてを捧げて、四十年間でわずか五個の時計をつくった。
その間は、助成金が出ることもあったが、出ないこともあり、貧しい中で、コツコツと努力した。
ついに、非常に正確に動く懐中時計を開発し、長年の労苦が報われた。
そのおかげで、正確な地点を割り出しながら航海ができるようになり、オーストラリア等を探検したキャプテン・クックは、ハリソンの時計のおかげだと述べていたそうである。
18世紀イギリスは、多くの偉大な人が生まれたが、その中でも、実は一見目立たない、このジョン・ハリソンこそ、最も偉大な人物だったのかもしれないと、読んでいて思った。