- 作者: 岸川悦子,藤原ゆみ子
- 出版社/メーカー: 小さな出版社
- 発売日: 2001/06/01
- メディア: 単行本
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近未来の設定なのだろうけれど、リアルに悲しい絵本だった。
ある赤ちゃんは、生まれてから一度も母親に抱っこされることもなく、授乳もすべて機械を通し、子育てもロボットに任される。
本当は親にかまって欲しいし、もっと話したいと思うが、偏差値や成績で上位になることだけを求められる。
ついに気持ちが爆発し、ロボットを壊し、暴れるが、自分自身もその時の事故で死んでしまう。
あまりに哀れな物語だが、現実に今やいくばくかはありそうだし、これからもあり続けそうな悲惨な話である。
「人は、愛されるために、生まれてきたのです。
人は、愛を伝えるために、生きていくのです。
ただ、それだけのために―。」
というラストの言葉が、心に刺さる。