手島郁郎 「マタイ伝講話 第四巻」

マタイ伝講話 (第4巻)

マタイ伝講話 (第4巻)


とても素晴らしかった。


著者の信仰のすごさには、ただただ驚嘆するばかり。


宗教とは、教えではなく、生ける神、生けるキリストを信ずること。
そう著者は断言し、観念や理論ではなく、宗教は生命だと言い切る。


「地上の短い七十年、八十年の人生における最大の発見は、キリストを発見することです。」


と言い切る著者の信仰は、本当にすごいと思う。


「神を知るより、似ようとせよ。」


という言葉も、なるほどと思った。


人間の偉大さは、どれだけ多くの人に仕えたかによる、ということも、なるほどと思った。


心を翻し、幼子のように無念無想に福音を受けいれること。
一切をキリストに委ね、養われていくこと。
平均的人間の列を離れるには、忍耐と勇気を要すること。
一人一人に守護天使がついているということ。
いと小さき者の一人が滅びることも天の父の御心ではなく、その魂が立派に育っていくように苦心されていること。
神の御心に沿わないことが罪であるということ。


などなど、著者は何も衒うことなく、まっすぐに説き明かしている。


信仰は議論ではなく、真実なものに触れることだ、ということもなるほどと思った。


また、バルテマイのような信仰を持つべきだということも、なるほどーっと思った。


「今日ぐらい、一期一会と思って、キリストに触れる」


という言葉も、心に響くものがあった。


これほどの、熱烈なキリストへの信仰の本というのは、本当に稀な気がする。


今までの巻と同様、この本を読むことができて本当に良かったと思う。