
- 作者: 沼田曜一,四国五郎,山口勇子
- 出版社/メーカー: 金の星社
- 発売日: 1979/11
- メディア: 単行本
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かつて、広島の町のある場所に、いつもにこにこ笑顔でいるように見える、柔和な顔のお地蔵様がいた。
しかし、1945年の8月6日の日。
すべてが吹き飛ばされ、地獄のような様子となった広島の町。
一人の少女が、焼けただれた身体で、そのお地蔵様の前までやって来て倒れ、水、水、と水を欲しがった。
お地蔵様は、その途端、仁王か不動明王のような恐ろしい形相に顔の表情が変わった。
そして、大きな目から、涙があふれ出た。
そのお地蔵様の目からこぼれる涙が少女のくちびるにそそぎ、少女は束の間渇きをいやされると、やがて亡くなっていった。
心に残る絵本だった。
多くの人に読み継がれて欲しい。