メモ アホーシ・カルマについて

仏教のカルマの考え方の中に、アホーシ・カルマというカルマがある。

アホーシ・カルマ(キャンセル・カルマ)は、反対の価値のカルマをつくっていくと、弱いカルマはキャンセルされて、結果が生じなくなるということだそうである。

先日、いま遠方にいる人から、そのことについてデ長老によりわかるように質問してくれと頼まれたので、この前お会いした時に尋ねてみた。

わかりやすいたとえで、こんな話をしてくださった。

高校一年の時にさぼって遊んですごしても、二年や三年でしっかり努力してがんばれば、一年の時のさぼりの結果はその後にあまり悪影響を与えず、きちんと卒業もできるし、勉強も身に着く。

ということを考えると、わかりやすいそうである。

また、有名なたとえは、アングリマーラの話で、アングリマーラの場合、悟りに達したので、もう生まれ変わることがなくなり、本当は生じるはずだった悪い結果はすべて消滅したそうである。

反対価値のことをより多くすることで、このような結果が生じるとのこと。

預流果に達しなくても、アホーシ・カルマが生じるのかを尋ねたところ、預流果になれば確実に多くのアホーシ・カルマが生じるけれども、預流果に達さなくても、反対価値のカルマを多く作ることで、アホーシ・カルマは生じるそうである。

その割合がどれぐらい生じるかは、その人の努力次第とのことだった。

とても面白い、ためになる話だった。

私も、できうる限り、せっせとアホーシ・カルマをつくって、罪業を滅して、幸せの原因をつくっていきたいものである。