- 作者: 池上英洋
- 出版社/メーカー: 新人物往来社
- 発売日: 2012/12/22
- メディア: 単行本
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ラファエロの美しい絵の数々が収録されていて、とても良い画集だった。
「椅子の聖母」や「キリストの変容」は以前実物を見たことがある。
あらためてなつかしく見た。
また、まだ実物はもちろん、今まで写真ででも見たことがなかった絵がいくつかあって、とても興味深かった。
ラファエロの絵は、本当に美しいと思う。
以前、パンテオンの中にあるラファエロの墓にも行ったことがある。
その頃は気付かなかったのだけれど、一見優しそうでおとなしそうに見えて、ラファエロは、実はとてもすごい勇気と度胸の持ち主とある時に気付いた。
というのは、この画集にも収録されているし、以前実物も見たことがあるのだけれど、ラファエロの代表作の「アテネの学堂」。
あの中に、ヒュパティアが描かれている。
映画「アレクサンドリア」を見て、キリスト教によって殺された女性の天文学者ヒュパティアを、ヴァチカンのど真ん中に描くなんて、ラファエロはなんと度胸があるのだろうと、その意味にずっと後になって気付いて、ただただ感嘆したものである。
この美しい絵の背後には、ラファエロの、何ものにも屈しない度胸と芸術家魂があればこその、数々の傑作なのだと、あらためてこの本を見ながら思った。