昨日、福岡の今村にある「ハタモン場」と呼ばれる、江戸初期にジョアン又右衛門(後藤寿庵のこととされる)が殉教した場所に行ったところ、以下のような魚の絵のモニュメントがあり、その下にギリシャ語と思われる文字が書かれていた。
意味を知りたいと思い、キリスト教に詳しいある方に質問してみたところ、即座に教えてくださった。
この石碑の魚の下に書いてあるギリシャ語は、
「イエス・キリストは神の子であり救世主」
という意味の符牒だそうである。
キリスト教が禁止されている時代に、相手がクリスチャンかどうかを確認するために使われたそうである。
Iesous Christos Theou Yios Soter
イエースス クリストス テウー ヒュイオス ソーテール
Jesus Christ God's Son Savior
この頭文字をとると、ちょうど魚という意味の単語になるので、初期のキリスト教において使われていたシンボルだそうだ。
また、ペテロたちが漁師だったように、初期キリスト教の人々は漁や魚と深いかかわりがあったことも関係しているそうである。
おそらく、この石碑をつくった方々が、深い思いをこめて、初期キリスト教の人々と同様の信仰の人だったという思いをこめて、この後藤寿庵の碑文にこのシンボルを使ったのだろう。
なお、ジョアン又右衛門の遺体は、今村天主堂の祭壇の下の地下に眠っているそうである。