父の戒め・母の教え

箴言を読んでいたら、こんな箇所があって、ふと考え込んだ。



My son, keep your father’s command
and do not forsake your mother’s teaching.
(Proverbs 6.20)


わが子よ、父の戒めを守れ。母の教えをおろそかにするな。
箴言 第六章 第二十節)



はて、うちの父と母から、何か戒めや教えを受けたことがあったろうか。


かなり考え込んで、頭をひねっても、あんまり思い出せない。


父から受けた戒めと言えば、


「よく噛んで食べなさい。」


ぐらいしか思い浮かばない。


母から受けた教えと言えば、いったい何があったろうとかなり考え込むが、はてさて。


とはいえ、よく考えてみたら、


「人生で一番大切なのは、命と時間と知恵。」


「知恵があればお金がなくても生きていける。」


というのは、母がときどき言っている。


これが教えと言えば、教えなのだろう。


亡くなった母方の祖母はよく、


「禍福はあざなえる縄の如し」


「棺桶の蓋を閉めるまで人間の人生はわからない。」


と言っていた。


父方の祖父も生前、


「悪かこつはするな。」
(悪いことはするな、の意味の熊本弁)


「おったちゃ気力だけで生きてきたもんなぁ。」
(俺たちは気力だけで生きてきた、の熊本弁。以下、しばらく戦中戦後の思い出話が続いた。)


ということは、聞いたものだった。


これらを守って、おろそかにせずにいれば、自分の場合は、この箴言をきちんと守っていることには一応なれそうではある。