確かに未来はある

箴言』は、読んでいると不思議と元気が出る気がする。


論理や根拠などすっ飛ばして、ずばっと真実を簡潔に語っているところが、他の古典や哲学書にはないところかもしれない。

そうであればこそ、多くの人の魂を長い間この本が鼓舞してきたのだろう。


その中でも、以下の言葉は、とても人を元気づける力があると思う。



There is surely a future hope for you,
and your hope will not be cut off.
(Proverbs 23.18)

確かに未来はある
あなたの希望が断たれることはない。
箴言 第二十三章 第十八節)



この言葉、根拠はなんだかこれだけを見てもよくわからない。
しかし、こうはっきりと確言されると、確かにそんな気もしてくる。

人はしばしば絶望しがちなものだが、本当はよく考えてみれば、こちらが本当なのかもしれない。

そして、そのように考えるためには、自分でごちゃごちゃ考えるより、こういう元気の良い言葉を吹き込まれる方が良いのかもしれない。


ちなみに、『箴言』の中に、これと似た次のような箇所もある。



Eat honey, my son, for it is good;
honey from the comb is sweet to your taste.
Know also that wisdom is like honey for you:
if you find it, there is a future hope for you,
and your hope will not be cut off.
(Proverbs 24.13-14)

わが子よ、蜜を食べてみよ、それは美味だ。
滴る蜜は口に甘い。
そのように、魂にとって知恵は美味だと知れ。
それを見いだすなら、確かに未来はある。あなたの希望が断たれることはない。
箴言 第二十四章 第十三〜十四節)



これだと、知恵があれば、未来があり、希望が断たれることはない、ということで、理屈としてもずっとよくわかる気がする。
先の言葉も、本当は知恵があれば、という意味なのかもしれない。


金が乏しかろうと、いろいろと苦労を抱えていようと、困難な条件であろうと、どんな状態であろうと、

知恵があれば、どこからでも、いくらでも希望を紡げるし、良い方向に人生を向かわせることができる。


古代のイスラエルやエジプトの賢者は、さまざまな経験や人生を見尽くした上で、このように悟っていたのだろう。


人生に対しても、世の中に対しても、このように楽天的に見ることが、人生をよく渡っていくためにはとても大事なことなのかもしれない。