雑詩 「男一匹」



男一匹、この世に生れてきたからにゃ、


たとえ金なく妻もなく、


うまくいかない時あれど、


武士は食わねど高楊枝、


生きたいように生きるまで。


誰が知ることなかろうと、


男一匹、義気に生き、


気炎をあげて、生きるべし。


世はおしなべて、金のこと、


わが身の安泰、そればかり、


時流を高く抜きんでて、


一人高山の気を吸いぬべし。


さびしい時は、本を読み、


歴史の偉人と語らいて、


悲しい時は、海や山、


世に美しき花を見ん。


武士は食わねど高楊枝、


根性根性ど根性、


弱き心に鞭打って、


瘠我慢の精神に、


今日も明日も我往かん、


千万人といえども我往かん。