- 作者: ニッキグリムズ,ブライアンコリアー,Nikki Grimes,Bryan Collier,室崎育美
- 出版社/メーカー: バベルプレス
- 発売日: 2010/01
- メディア: 大型本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログを見る
オバマさんのことを描いた絵本。
とても良い絵本だった。
小さい頃、両親の離婚などがあり、自分は何者だろう?と考え続けたバリー。
バリーは親やその他の大人たちの言葉に耳を澄まし、自分の心に耳を澄まし、自分が何者かを知るために、学ぶことを大切に思うようになり、真剣にさまざまな機会や物事から学ぶ。
そして、黒人と白人の憎しみの歴史を見た上で、その架け橋になろうと思う。
どうやって黒人らしくするか、あるいは白人らしくするか、ではなく、問題を解決し、世界を変える方法を知りたいと思い、学び、働く。
見知らぬ人たちに声をかけ、「一緒に行進しましょう」「みんなの生活を良くしましょう。」と熱心に話しかけ、あたかも農夫が春に種を蒔くように、「Yes we can、やればできる」という言葉の種を蒔き続けた。
ある日、教会でじっと座っていると、
「あせってはいけません。
まわりをよく見なさい。
この世にはたくさんの希望があります。
人が生きている限り、希望も生き続けます。」
という声が聞えた、
自分が世界を変えるまで希望は消えないとわかった。
そして、父の故郷のアフリカを訪れ、会ったことがなかった大勢の家族と出会い、歓迎された。
父の墓の前に行くと、
「さあ、今だ、
自由に飛んでいきなさい。
お前が本当にしたいことをしなさい。
希望をもって暮しなさい。
今までのことを忘れず、
おまえの明日を作りあげていくんだ。」
という声が聞こえた。
バリーことオバマさんは、上院議員になり、そこに希望の輝きを見てとった多くの人々から支持され、大統領になった。
ということが、インパクトのある絵とともに描かれる。
読んでいてあらためて、オバマさんは、本当にすごいと思った。
この世の中、胸の中に希望を燃やし続けることは、極めて難しい。
たいていの人は、いつしか自分の胸中に希望を輝かせることを忘れてしまいがちなものだ。
オバマさんに多くのアメリカ人が何かを感じ、そして信託したのは、オバマさんにあきらめずに希望の種を自らと他の人々の心に蒔き続ける姿を確かに見たからなのだろう。
多くの人に読んで欲しい、素敵な一冊だったと思う。