
- 作者: 手島圭三郎
- 出版社/メーカー: 絵本塾出版
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 単行本
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冬ごもりの巣穴から出てきた、二匹の兄弟のこぐまと母ぐま。
こぐまははじめて見る世界に驚きながら大喜びし、蝶や、白鳥の群れや、キツネや、鹿の群れや、うさぎを見て、自分たちも飛んだり跳ねたり木に登ったりする。
やがて、雪の溶けたところからは、蕗の薹がたくさん芽を出してくる。
蕗は熊にとってもとても大切な食べ物で、乳をのまなくなってから最初にくまが食べる食べ物だそうである。
美しい北海道の大自然の中に生きる子ぐまと親ぐまの姿が、本当にほほえましく、生き生きと描かれた素晴らしい絵本だった。
人の子も、この子ぐまたちのように、子どものうちは生きるよろこびに満ちているものなのだろうか。
どうもそのことを忘れがちな大人になってしまった私も、そうだったかもなぁと思わせる、生きるよろこびに満ちた絵本だった。