絵本 「とびだせにひきのこぐま」

とびだせにひきのこぐま: いきるよろこびシリーズ

とびだせにひきのこぐま: いきるよろこびシリーズ


冬ごもりの巣穴から出てきた、二匹の兄弟のこぐまと母ぐま。

こぐまははじめて見る世界に驚きながら大喜びし、蝶や、白鳥の群れや、キツネや、鹿の群れや、うさぎを見て、自分たちも飛んだり跳ねたり木に登ったりする。

やがて、雪の溶けたところからは、蕗の薹がたくさん芽を出してくる。
蕗は熊にとってもとても大切な食べ物で、乳をのまなくなってから最初にくまが食べる食べ物だそうである。

美しい北海道の大自然の中に生きる子ぐまと親ぐまの姿が、本当にほほえましく、生き生きと描かれた素晴らしい絵本だった。
人の子も、この子ぐまたちのように、子どものうちは生きるよろこびに満ちているものなのだろうか。
どうもそのことを忘れがちな大人になってしまった私も、そうだったかもなぁと思わせる、生きるよろこびに満ちた絵本だった。