- 作者: 長谷川櫂
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/01
- メディア: 単行本
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東日本大震災のあとに詠んだ俳句を集めた句集。
読みながら、はやあの頃のことを忘れて、また原発推進の政策に戻りつつある今の状況が、本当にこれでいいのかとあらためて思われた。
「焼け焦げの 原発並ぶ 彼岸かな」
「みちのくの 山河慟哭 初桜」
「みちのくの 大き嘆きの 桜かな」
「原子炉の 赤く爛れて 行く春ぞ」
「原発の 蓋あきしまま 去年今年」
私たちは、ついこの前、そして今も、この現実を目の当たりにしたというのに。
一方、この句集は、嘆きばかりではなく、前を向いた句があるところもよかった。
「葦牙(あしかび)の ごとくふたたび 国興れ」
「滅びゆく 国にはあらず 初蕨」
本当に、そう思う。
そして、そのためにも、忘れてはならないのだと思う。
「日本の 三月にあり 原発忌」