- 作者: エレンレヴァイン,カディールネルソン,Ellen Levine,Kadir Nelson,千葉茂樹
- 出版社/メーカー: 鈴木出版
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: ハードカバー
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ヘンリー・ブラウンは、19世紀の実在の人物。
アメリカの南部の黒人奴隷に生れる。
ある時、主人から他の主人に譲渡されたので、親から引き離されて遠いタバコ工場で働くことになる。
ある時、同じ黒人の若い女性と町で出会い、恋をして、主人の許しを得て結婚する。
しかし、ある時、主人が妻と子どもたちを、ヘンリー・ブラウンがタバコ工場で働いている間に売り払われ、遠くに連れ去られてしまう。
もう嫌だ、自由が欲しい、と考えたヘンリー・ブラウンは、他の人の協力も得て、箱の中に詰めてもらい、北部の自由州に発送してもらった。
もし見つかれば、当然逃亡を企てたということで罰される。
箱の中で息を殺して二十七時間の間過ごし、船と汽車で運ばれた。
その間、頭が下になった時があり、血が頭にのぼってずきずき痛んだそうである。
しかし、無事に北部に届けられ、箱があけられて、自由の身となった。
このヘンリー・ブラウンの逃避行については、当時新聞でとりあげられて、ボックスというニックネームがつけられ、一躍有名になり、自伝も書いたそうである。
http://en.wikipedia.org/wiki/Henry_Box_Brown
この絵本は、ヘンリー・ブラウンのことを、わかりやすくリアルな絵で描いてあり、良い一冊だった。
黒人奴隷制がどんなにひどいものだったか、そこから逃げるために、当時の人がどれほど大変な思いだったか、忘れずに思い出すためにも、多くの人に一度読んで欲しい作品と思う。