詩 リンカーン

詩 リンカーン


枕もない家に育ち、若い頃は自分がつくったわけでもない借金で始終苦しんだ。
何度も選挙に落選し、全力を尽くしても敗れることが多かった。


にもかかわらず、いつもより深くなり、より大きくなった。


南北戦争のさなか、自分の子どもが病気で死んだ。
嘆きの淵から再び立ち上がり、奴隷制廃止と内戦の終結のためにますます力を尽くした。


自分の心の中で、いつも雑草を抜き、花を植えた。
善いことをすると善い気分になり、悪いことをすると悪い気分になる、それが自分の宗教だと言った。


道徳の力と言葉の力だけで、庶民の子から大統領になった。
アメリカを蝕む奴隷制を廃止し、未曾有の内戦と国家分裂の危機を乗り越えた。


リンカーンを見ていると、人間は環境ではなく、自分の努力次第だと教わる。


いかなる思想家や哲学者たちの山のような書物も、
リンカーンゲティスバーグでの言葉ほどデモクラシーを現わしはしない。


舜や禹がどのような人だったかは写真もないけれど、
私たちはたしかにリンカーンは写真で見ることができる。