「オレステス」を見て

今日は、エウリピデスの『オレステス』の劇を見た。
http://gekidantenchi.sakura.ne.jp/oresute.html  


とても面白かった。
古代ギリシャの悲劇はやっぱすごいなぁ。


劇団天地という福岡の劇団の劇だったのだけれど、原作に忠実でとても真剣な、良い劇だった。


オレステスエレクトラの話は、なんとなくは知っていたけれど、ここまで悲劇的な物語もめったにないと、見ててあらためて思った。
トロイ戦争のアガメムノンの子どもたちが、こんなにかわいそうな目にあうとは。
アガメムノンがトロイを滅ぼしたことによる報いだったのだろうか。


それにしても、この劇の中のテーマや不条理を掘り出すだけで、いったいどれほどのテーマが出てくるかわからない気がする。
神がいるのかいないのか、神の命令の不条理、親と子、世論のいいかげんさ、一族親戚の薄情さ、自分が生き残るためならば限りなく残酷にも人間がなること等々。


そして、矛盾が矛盾のまま終わっていくやや唐突な幕切れも、たしかに、なんらかの解決もなく、このように矛盾が矛盾で終っていくことが、リアルといえばリアルなのかもなぁという気はした。


古代ギリシャの悲劇はやっぱすごいとあらためて思った。


この難しい劇にあえて挑み、見事に演じきった劇団の方々には、本当に心から拍手を贈りたい。