少々のストレスやプレッシャーで、すぐ胸のあたりが痛くなる自分のひ弱さを考えると、はかりしれない重責を担って日本を背負って立っている歴代の総理ってのは、やっぱり偉いもんだなぁと思う。
昨日の野田さんは、本当に気魄があって、すばらしかった。
野田さんはあれやこれや批判する人も多いし、私もいまいち疑問な点が今まではあったけれど、昨日の党首討論ではそんなことを吹っ飛ばすぐらい、男というのは正念場でこうなくてはならないという手本を見せてもらった気がする。
前の総理の菅さんも、随分としっちゃかめっちゃか言われていたけれど、私はあの猛烈な集中砲火の中で、よくがんばったものだと当時も思っていたし、今も思っている。
ある民主党の方から、菅さんは殉職するつもりで脱原発を実現するために総理をやっている、と菅政権の末期の頃は聴いていて、そうだったのかーっととても感じ入るものがあった。
そんなことは全然マスコミの表面には出てこないし、当時はバッシングばかりで、保身のために首相の座にしがみついているとしかほとんど言われてなかったけれど、やめるのは本当は簡単で、はかりしれない重責の地位であくまで仕事を続けようというのは、下種の勘繰りからは到底想像もつかないほど、国家社会に対する強い使命感と深い愛情と献身の気持ちがあってのことだろうと思う。
私は政策については疑問だったし、当時も今も批判的だけれど、小泉さんは非常に熱心に、一生懸命な様子だったとは、当時も今も思う。
福田さんも、難局の中を、実によくがんばっていたのではなかろうか。
麻生さんも、私はけっこう好感を持ってたし、今も持ってる。
安倍さんも、昨日の党首討論はちょっと疑問だったけれど、基本的には真摯な誠実な人ではないかと思う。
この頃、いささか安倍さんらしくない、疑問な点が目立つけれど。
昔の橋本さんや小渕さんも、それぞれに一生懸命で立派だった気がする。
村山さんも、間近でしばらくインタビューした人に話を聴いたことがあるけれど、テレビと全然違ってすごい迫力があって、とても面白い話をする人だったそうだ。
そうこう考えると、やっぱり、総理ほどの地位につく人は只ならぬ、尋常ではない人物が就くのだろうし、天命というのは、そのようにしかるべき人にしか下らぬのだろうという気がする。
ただし、稀には例外もあるみたいで、鳩山さんばっかりは、本当にどうしてこの人が総理になったのか、ただ単に家柄とお金があったとしか思えない体たらくだった。
鳩山さんの側近がぞろぞろと最近民主党を離党して維新の会に合流しているのを見ても、心底鳩山さんと鳩山派には失望落胆をさらに重ねさせられるばかりである。
とはいえ、そうした事例は極めて例外的な気もするから、おおむね天命というのは、完璧ではないとしても、大体においてはしかるべきものなのだろうと思う。
次の総理は、おそらく順当にいけば安倍さんだろうけれど、まだ誰がなるかわからない。
しかるべき人になって欲しいと思うばかりである。
そして、そろそろ、馬鹿げた足の引っ張り合いはやめて、誰がなろうと、安定した政治的統合がしっかりとできることが願われてならない。
また、総理となる人には、それが可能になるよう、国民の広範なコンセンサスが得られるような、穏健妥当な中道の政治をこそ、どの政党の人であれ、目指して欲しいものだと思う。