- 作者: ロバート・スウィンデルズ,スティーブン・ランバート,百々佑利子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/02/03
- メディア: 大型本
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これは良い絵本だった。
古代エジプトの神話を本当に生き生きとわかりやすく描いてある。
いろんな物語がひとつずつの章におさめてあるけれど、どれもとても面白かった。
特に印象的なのは、セクメトやセトなどの悪い神々が非常に生き生きと描かれているところである。
また、イシスが赤ん坊のオシリスを連れて逃亡する話は、どういうわけか新約聖書のマリアの逃避行と非常によく似ている。
赤ん坊を見つけて殺そうとするセトの姿は、ヘロデ王によく似ている。
たまたま偶然一致したのか、あるいは新約聖書は古代エジプト神話をいくぶんか下敷きにしたのか。
いずれにしろ非常に興味深い。
以前博物館で見たイシスとオシリスの像も、どう見ても聖母子像によく似ていた。
要するに、人間の深層心理や集合的無意識にそのようなイメージがもともと備わっているということなんだろうか。
最後の章の死者の書の物語もとても興味深かった。
古代エジプト神話、本当に面白いと思う。