メモ ラーフラ 『仏陀が教えたこと』 第一章

ラーフラ 『仏陀が教えたこと』 

第一章 「心に対する仏教の態度」


宗教の開祖たちの中で仏陀は、(もしも仏陀を一般的な言葉の意味において宗教の開祖と呼ぶことが許されるならばの話ですが)、純粋に、単純に、人間であること以外の何ものも要求しなかった唯一の教師でした。
他の教師たちは、神もしくは神の形を変えた化身、あるいはそれらによって霊感を受けている存在でした。
仏陀はただただ人間であり、神からも、他の外側の力からも、なんらの霊感を受けることを要求しませんでした。仏陀は、自らが実現したこと、得たこと、達成したことは、すべて人間の努力と人間の知性に帰するものだとしました。人間が、人間のみが、仏陀になることができます。あらゆる人は、もしも強く意志し努力するならば、仏陀になることができる秘められた可能性を自らの内に持っています。仏陀を「ひときわすぐれた人間」と呼ぶこともできます。仏陀はその「人間らしさ」において完全だったので、後世に通俗的な宗教においてほとんど「人間を超えた存在」としてみなされるようになりました。