立松和平 「森に生きる」

森に生きる

森に生きる


感動。
とても良い本だった。

鹿が人間が仕掛けた罠でむごい死に方をしていくのを、なんとか防ごうと、そっと罠をはずしていく人々のことが描かれている。
そもそも、罠をしかけたり、鹿を撃つのは違法らしい。

また、自然の開発により、食べ物が少なくなり、それに大雪が重なって多くの鹿が餓死していく中、たまたま助けた一頭の鹿がこの物語の主人公なのだけれど、

ある時にふといなくなり、二年後、子どもたちを連れてまたその家に会いに来てくれた、という話は胸を打たれた。

どれもちゃんと写真が載っている、実話らしい。

自然には無駄な存在はない、だからこそ人間もそうなるように、自然と調和して生きなければならない、というメッセージは、あらためて心に響いた。

この本は栃木の霧降高原の話だけれど、私ももっと地元の身近な自然について詳しく調べようと思った。