絵本 「おじいさんの机」

おじいさんの机 (立松和平と絵本集)

おじいさんの机 (立松和平と絵本集)

とても良い絵本だった。

人のいのちを支えてくれるのは、田舎での、さまざまないのちとつながった日々の体験の記憶なのかもしれない。


「稲の穂の先に、白い小さな花がいくつも咲きました。誰も気づかないほどの可憐な花は、朝の二時間ほど咲いて、枯れてしまうのです。
「花が咲いて受精をしなければ、米は実らない。お前が毎日食べている米は、命なんだよ。お前は命を食べている。稲もここまで育てばもう安心だなぁ」
朝、田んぼに出て稲の花を見ながら、おじいさんはしみじみと話すのです。」

という一節は、本当に美しい一節で、心に響いた。