現代語私訳 善導大師 「般舟讃」(念仏讃歌)  第三十二節

現代語私訳 善導大師 「般舟讃」(念仏讃歌)  第三十二節




下品中生の凡夫たちは、
(浄土への往生を願います)


戒を破り、お寺や僧の物を盗み、さまざまな罪をつくり、
(はかりしれない喜びよ)


自分の利益のために説法して、慚愧することがありません、
(浄土への往生を願います)


戒と原因と結果の法則を破って、先生である僧を打ちます、
(はかりしれない喜びよ)


このような愚かな人は、死の間際の日において、
(浄土への往生を願います)


身体の節々が激しく痛みうずき、錐や刀で突き刺すようです、
(はかりしれない喜びよ)


地獄の激しい炎が目の前すべてに来て視界を遮ります、
(浄土への往生を願います)


その時に、よく導いてくれる人(善知識)が、
(はかりしれない喜びよ)


大いなる慈悲の心を起こして、その人に教えて念仏させる機会に出遇うと、
(浄土への往生を願います)


地獄の激しい炎や熱風が、とたんに涼しく変わり、
(はかりしれない喜びよ)


天から花々がひらひらと涼しい風に従って舞い降りて来ます、
(浄土への往生を願います)


化仏や菩薩たちがいらっしゃって、その花の上に乗せてくださいます、
(はかりしれない喜びよ)


その人はすぐに天の花の上に坐り、
(浄土への往生を願います)


阿弥陀如来に従って、ほんのわずかの時間で浄土の宝の池の中に入ります、
(はかりしれない喜びよ)


煩悩の障りが重いので、蓮の花が開くまでに六劫という長い時間が経ちます、
(浄土への往生を願います)


蓮の花が開くと、はじめて仏になろうという志が起ります、
(はかりしれない喜びよ)


念仏三昧の喜びよ、
(浄土への往生を願います)


粉骨砕身、釈尊の御恩に感謝し、慚愧すべきです、
(はかりしれない喜びよ)