
- 作者: 堀田節夫
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 1993/10
- メディア: 単行本
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西郷頼母の「栖雲記」を、詳細に訳注をつけて載せてくださっていて、とてもためになった。
日本人同士が内戦をしてはならない、という、晩年の西郷頼母の言葉も載っていて、考えさせられた。
雲井龍雄事件をめぐって、西郷頼母の弟の陽次郎の助命嘆願のために、頼母が西郷隆盛に手紙を送り、西郷隆盛がそれを受けてそのために動いたことを示す書簡が載っていたことも興味深かった。
西郷頼母ほどの悲劇的な人物は歴史上にもそんなに多くはないと思う。
にもかかわらず、しっかりと戊辰戦争後も生きていった姿勢は、本当に立派だと思う。
ちなみに、ちょっと驚いたのは、雲井事件に連座して獄死した陽次郎の息子、つまり西郷頼母の甥の山田重郎という人物は、陸軍で弘前の連隊長になり、八甲田山遭難の救出部隊を指揮した人物だったそうである。
いろいろと、歴史はつながっているのだなぁ。