日本は政治的に本当の意味で大人だろうか?

あるアンケートによれば、新成人の九割ぐらいが、将来の年金受領に悲観的という。
たしかに、このままだ、2033年には年金制度が破綻するというシミュレーションもある。
この状況において、仮に心配だとするならば、二つの対処法があるだろう。


ひとつは、もう年金は諦めて、自分だけはなんとかするという方法だ。


もうひとつの方法は、なんとか年金制度が維持できるように、今から年金改革を政府と国民と協力して実行していくことだ。


前者は、ごく一部の人間はともかく、大半の人間にとってはかなりきつい道のりであろうし、将来の深刻な社会不安や棄民社会を引き起こす可能性もある。


後者を選ぶとすれば、本当に真剣に、年金制度や税制の改革に今努めなければならないだろう。
年金一元化や、年金の半額をきちんと税負担としていくことや、社会保障を維持するためにきちんとした税収を確保しなければならない。


それらの改革を実行しようと思うならば、いいかげんに、ささいな欠点やイメージによって、そのつど首相を短期間で引きずりおろし、協力しようとするより足をひっぱることしか首相に対して行わないという、ここ最近日本にずっと続いている悪弊をきちんと見直すべきだろう。


小泉政権を唯一の例外として、この二十年ほど、ほとんど短期政権ばかり。特に安倍政権以後はひどい。
もはや、自民や民主どちらであっても、短期政権しか成り立たないようなマスコミのネガキャンと軽薄で他人事のような無責任な民意となっている。


もちろん、是々非々できちんと批判精神を持つことは大事だ。
かつ、時の首相にきちんとした説明を求めていくことも大事だろう。
が、たとえば菅政権や今の野田政権のように、年金や税制の改革に意欲を見せいているのであれば、他人事と傍観するのでなく、それが良いものになるように是々非々で見守り、協力すべきは協力し、やたらめったら短期間でマスコミや野党が政権を葬り去ろうとすることに、一定程度の懐疑を持つ方が、自分たち自身の生活を守るためにも大事なことだと心得た方が良いかもしれない。
破壊主義でなく、協力や支持こそが、責任ある大人のすることだ。


新成人もすでに成人式をとっくに通りこしている人々も、今日はあらためてそのことを考えてみてもいいのではなかろうか。
今の日本には、残念ながら、罵倒の声か諦めの沈黙のどちらかばかりで、協力や支持の声が、万事において、非常に少ない。
是々非々で協力し、支持すべきはするのが、大人のなすことだ。