- 作者: 杉本良男
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1998/10
- メディア: 単行本
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いろんな識者が執筆していて、とても面白かった。
スリランカについては、いまいち本も少なく、日本に伝わってくる情報も断片的なせいか、無知にもかかわらず無責任なことを言う人がたまにいるようだ。
せめてこの本一冊ぐらいは読んでから発言すべきなのかもしれない。
この本を読めば、LTTEはインドのタミル・ナードゥ州からも見捨てられているような組織であること、スリランカの宗教的風土からして宗教的強制などがそもそもありえないこと、スリランカのカースト制度はインドとはまったく異なるものであること、などなども一目瞭然だ。
あと、読んでて、へえ〜っと思ったのは、スリランカの古事記・日本書紀に相当するディーパワンサとマハーワンサは、てっきり和訳はないと思っていたら、ちゃんとあるそうである。
なんと、南伝大蔵経の60巻と61巻に「島王統史」と「大王統史」として収録されているそうな。
いつか読んでみたいものだ。
最後の方で、スリランカ出身の人が書いてあった一文を読んでてなるほどーっと思った。
スリランカに対して、誤認や誤解をしないように心がけてくれることこそ、単なる非難や哀れみよりも何よりも求められる、ということだったのだけれど、本当にそのとおりと思う。
にしても、スリランカってのは、面白い国だなあと思う。
サルウォーダヤ(サルボダヤ)運動というのも興味深いなあと思った。
そのうち、他の本もいろいろ読んでみよう。