アナキズム読本

アナキズム読本―アナキズムとは何か?

アナキズム読本―アナキズムとは何か?

この本は、ネット上に翻訳されている、アナキズムFAQを本にしたもの。

http://www.ne.jp/asahi/anarchy/anarchy/faq/

一回、ネット上で読んだものだったけれど、もう一回活字で読んでみた。

なかなか面白かった。

この本によれば、アナキズムというのは、権威主義ヒエラルキーに不断に抵抗し、自由や連帯を志向する営み・プロセスのことらしい。

アナキズムが目指す、ヒエラルキーなき社会が、本当に実現するのかは、なかなか今のところ望みがうすい気が私のような一般人にはするけれど、

とはいえ、今ここで、権威主義ヒエラルキーになるべく抵抗し、少しでも自由や連帯や相互扶助の実現を図っていくというのは、

この社会の健全さのためにも、極めて大事な精神だと思う。

アナキズムは、完全なる実現はともかくとして、不完全ながらもこの社会の中でプロセスとして取り組むのには、とても大事な示唆や叡智が含まれている思想のような気がする。

この本に紹介されている、エマ・ゴールドマンの自伝や、チョムスキーの本などは、いつか読んでみたいと思った。

この本のあとがきに書かれているように、アナキズムというのは、日本では今日あまりにも紹介されることの少ない、極めて少数派の思想なのかもしれない。
意外と豊饒な鉱脈だと思うので、リベラリストや保守派や左派や、いろいろな立場の人が、かじったり学んだりして自分のインスピレーションや肥やしにするのも、いいんじゃないかなあと思う。