- 作者: アルボムッレスマナサーラ,Alubomulle Sumanasara
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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シガーラ教誡経(六方礼経)をわかりやすくスマナサーラ長老が解説した本。
在家の人間がいかなる人間関係や道徳を持ち、この生命のネットワークの中で正しく良く生きていくべきかについて、目の覚めるような素晴らしい教えだった。
シガーラ教誡経によれば、人間は、以下のことを心がけるべきという。
「夫の妻に対する務め」
1、誉める。尊敬する。
2、けっして貶してはいけません。
3、不倫してはいけません。
4、奥さんに家の財産を一切任せてください。
5、装飾品をプレゼントしなさい。
「妻の夫に対する務め」
1、家の仕事をきちんと整理してちゃんとやる。
2、家のほかの人びとのことも自分がきちんと面倒みる。
3、不倫はしません。
4、財産を守る。
5、どんな仕事でも上手に、すぐ、文句を言わないでこなす。
「両親に対する子どもの務め」
1、 両親に育てられたのだから、私は両親の面倒をみます。
2、 両親の仕事・義務などを私が継ぎます。
3、 両親の家柄を守ります。
4、 両親の財産をきちんと管理します。
5、 それから両親が亡くなったら、亡き人びとのために供養・廻向してあげます。
「親の子への務め」
鄯、悪いことをやめさせる。
鄱、善いことをさせる。
鄴、学ぶべきことを教えてあげる。学問をさせる。教育する。
鄽、適した相手を探して結婚させる。
酈、よい時期になると、家の財産も全部ゆずる。
「弟子・生徒の先生に対する務め」
1、 先生が来られると立ちます。
2、 お世話をする。
3、 よく言うことを聞く。
4、 お供をする。
5、 しっかり勉強する。
「先生の弟子や生徒に対する務め」
鄯、道徳をちゃんと教えます。
鄱、ちゃんと勉強して理解したかどうか、とことん試す。
鄴、学問をきちんと、明確にたたきこむ。
鄽、先生の友だち・仲間に弟子を紹介する。
酈、いろいろな方面で護ってあげる。
「友人に対する務め」
1、 お布施をする。協力すること(布施)。
2、 優しいことばで語る(愛語)。
3、 役に立つことをしてあげる(利行)。
4、 平等でいる(同事)。
5、 裏切らない。
「そうしてもらった友人がしてくれること、すべきこと」
鄯、自分がどうしようもないとき助けてくれる、
鄱、自分がどうしようもないとき財産を護ってくれる。
鄴、問題がおきて困ったら助けてくれる。
鄽、不幸になっても離れません。
酈、友だちの後ろの人びとまで尊敬する。
「雇用者の被雇用者に対する務め」
1、 自分が雇っている人びとの能力に合わせて仕事を頼む。
2、 ちゃんと生活できるくらいの給料をあげる。
3、 病気になったら面倒みてあげる。
4、 自分に珍しいものが手に入ったら、雇っている人びとにも配ってあげる。
5、 時期をみて休みをあげる。
「被雇用者の雇用主に対する務め」
鄯、早く起きます。
鄱、後で寝ます。
鄴、与えられた給料だけもらう。
鄽、仕事は上手にこなす。
酈、自分の主人を誉める。
「在家の人間が出家者に対して勤めるべきこと」
1、 慈しみにもとづいた身体の行為をします。
2、 慈しみにもとづいたことばで話します。
3、 慈しみにもとづいた考え方をします。
4、 出家者に家の扉を開けておきます。
5、 食物をお布施します。
「出家者の在家者に対して勤めるべきこと」
鄯、悪いことをやめさせる。
鄱、善いことをさせる。
鄴、善い心で心配してあげる。
鄽、聞いたことのない真理を教えてあげる。
酈、真理を知っているか、覚えているか、調べてあげる。
酛、天国への道を教えてあげる。
(財産が消える怠けの六種類)
「寒すぎる、といって仕事をしない」
「暑すぎる、といって仕事をしない」
「朝が早すぎる、といって仕事をしない」
「もう遅すぎますから、といって仕事をしない」
「お腹が減りすぎて死にそうだから、といって仕事をしない」
「もうお腹パンパンで動けないから、といって仕事をしない」
本当に、なるほどと思う、素晴らしい教えだった。