野口悠紀雄 「超 整理法」

超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー

超「超」整理法 知的能力を飛躍的に拡大させるセオリー


とても面白かった。


資料はGメールで保存というのは、なるほどーっと思った。
今度から実践してみよう。


また、「大切なことは余計な情報をどう遮断するか」であり、これからの時代は情報を得ることは容易なので、いかに問題意識を持って取捨選択するかというのは、本当にそのとおりと思った。
これからの時代、最も大切なのは「検索力」だというのも、本当にそのとおりと思う。


唯一絶対の分類はなく、いかに自由にいろんな領域を越境して自分なりの取捨選択や再構成ができるかであり、従来の知識の体系を百科全書派やweb検索が大きく塗り替える、というのは、とても共感させられた。


従来がプッシュメディアだったのに対し、これからはプルメディアが大事であり、個々人もどれだけプルの力を持っているかが大切というのも、そのとおりと思う。


ヘリコプター勉強法の話も、とても読んでて気が楽になった。
これからは何もすべて自分で麓から山の頂上まで勉強する必要はなく、webを駆使することで一気に山頂を極めまくるヘリコプター勉強法が一番良いのかもしれない。


新しい時代に必要なのは、


1、問題関心、知的好奇心。
 問題意識を明確に持ち、情報の濾過を行うことができ、目的の範囲外にあることにつていは積極的な情報収集はしない。情報の選択の仕方、捨て方の能力。


2、判断能力、正誤、重要・非重要の判断ができること。


の二つ。


知的作業に一番大事なものは、


ア、「問題の設定」
 「何が問題なのか、何を知りたいのか」
 質問事項を明らかにし、テーマを設定する。


イ、「仮説の構築」
 暫定命題、暫定的な答えを設定し、それを検証しようとすること。


ウ、「モデルの活用」
 単純化し、理解する道具としてのモデルや法則を駆使する力。


だとしているのも、とても刺激的だった。


著者が言うには、受験勉強の弊害は暗記力ばかりになることではなく、暗記力はむしろ大事なもので、本当の弊害は「問題設定能力」が鍛えられないことだ、とのことで、全く私も同感だった。


その他にも、


「仕事に関しては現役であるのが重要」

「仕事をしていなければ仕事は完成しない」

「できるだけ早い時期に知識を増やせ、そうすれば問題関心が強まる」

「感興は仕事に伴って湧くもの」

「構えないで、無責任な態度で始める。」

「とにかく始める。歩く。寝てる間に考えが進むことを期待して寝る。」


などの仕事についてのメッセージもとてもためになった。


日本の停滞の一つの大きな原因は、新しい情報技術への不適応だというのも、本当にそのとおりと思った。


私も知的プロレタリアとして、問題設定・仮説構築・モデル活用の三つを意識して、これから生きていきたいものだと思った。

とても良い一冊だった。