- 作者: 李友情,李英和
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2004/02/26
- メディア: 単行本
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脱北者について、また北朝鮮国内の強制収容所の様子について、とてもわかりやすく書かれてあり、いろいろ考えさせられた。
ここに書かれていることがすべて本当かどうかは私にはよくわからない。
しかし、もし本当だとすれば、あまりにもひどい話だし、脱北者の境遇などについての記述は、おそらくはかなり本当の部分が多いのではないかと思われる。
北朝鮮国内の「管理所」と呼ばれる強制収容所や、労働鍛錬隊の言語を絶する様子。
また、脱北者の置かれているあまりにも悲惨な状態は、なんとも胸が詰まった。
脱北者は、中国に逃れても無権利状態に置かれて、さまざまな搾取や虐待を受けることが多く、しかも北朝鮮に連れ戻されれば大変悲惨な目に遭うという。
中国では脱北者を「経済的移民」として、難民ではないとして北朝鮮に簡単に送り返すそうだが、人権問題として許されないことではないかと思う。
なんとも、暗澹たる隣国の現状を知らされる一冊だった。
「犬の尻尾を十年寝かせてもイタチの尻尾にはならない」
という諺が韓国にはあるそうだけれど、北朝鮮や中国には、基本的に国際社会がなんらかの働きかけをしないと、このような悲惨な状態はあまり改まらないのではないだろうか。
まずは、脱北者の中国における人権状況の改善だけでも、なんとかならないものかと思えてならない。