スマナサーラ長老 「人生は智慧の羅針盤」

智慧は人生の羅針盤 (お釈迦さまが教えたこと)

智慧は人生の羅針盤 (お釈迦さまが教えたこと)

とても面白かった。

「流されるままに生きる」のではなく、「不満のない」「充実感のある」幸福な人生を求める。

必要なもの、不必要なもの、少しだけ挑戦すれば得られるもの、の三つに人生のいろんな物事を区分する。

幸福は自分の心次第。心を成長させるということを生きる目標にしてみる。

小さな善から始めて、心の汚れを排除する。

「立ち止まることなく、力むことなく」、世間という激流と自分の心という激流の二つの激流を渡る。

世間に抵抗されることを覚悟しないと、道徳的に善い人間になると覚悟することはできない。

生きることは増加する苦である。

現象はすべて生滅の波。

生きるとは、いろんな因縁を変えること。

人生にはこれといってもともと意味があるわけではない。
まだ死んでいないから、死ぬ瞬間まで、気楽に穏やかに明るく楽しく生きるというぐらいの心構えでいい。
良心が傷つくことや、後悔すること、批判を受けることはやらない。
充実感を求めて生きる。
それぐらいで十分。

知っていると思うな。
初めて聞く、まだわかっていない、という姿勢で何事も、特に仏教にはのぞむべし。

心は無常と貪瞋痴という二重の炎にさらされている。

誤知から正知へ。

六根、思考、衝動、認識(誤知)など、あらゆるものは苦しみをつくるもとである。
そう観察するのが正見である。

正見とは、諦めるため。
諦めるとは、厭離するということ。
厭離するのは、無執着になるため。
無執着こそが幸福である。

「この苦しみから脱出しようではないか」
ということを生きる目的としてみる。

などなど、とても刺激的な内容に満ちていた。

羅針盤となる一冊だった。